合同会社の法人決算メモ(1期目)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※自分用のメモなので間違いはあるかも。東京都23区に事業所が1個の場合で、消費税は免税。会計期間は3月1日~2月28日。

仕分けは弥生会計で行いました。
弥生会計(スタンダード)では決算書(P/L, B/S, 株主資本(社員資本)等変動計算書, 注記表)の出力はできますが、法人事業概況説明書や勘定科目内訳明細書は作れません。なので、決算書含めて、決算、申告、納付に関しては全力法人税を利用しました。
また、弥生会計の注記表はテンプレートこそあるものの、何を省略して、何を記載すれば良いのかが非常に分かりづらいためオススメしません。

決算の流れ

  1. 決算整理
    • 日々の仕分けを完了させる
    • 試算表の作成
    • 棚卸し
    • 売掛金や未払い金の処理
    • 原価の算出
    • 減価償却(固定資産がある場合)
    • などなど..
  2. 法人税/消費税の計算
    • 消費税に関しては私は今回は関係ありません
    • 法人税の計算の比率は全力法人税に入れる必要があるので、自治体から送られてきたパンフレットを参考に入れます。
    • パンフレットがなくても、Webサイトに情報があります。
  3. 取締役会や株主総会の承認
    • 株式会社の場合は必要だが、合同会社の場合は不要(参考)
  4. 申告
    • 作成した書類を郵送か、e-Tax/eLTAXで送信します。
    • 今回はe-Tax, eLTAXを利用。
  5. 納税
    • 還付か納税のどちらか。今回は納税。
    • 法人税、消費税、地方税を払うことになります。
    • 利益が出ていないので法人税はなし、消費税は対象外。
    • 地方税は、最低金額のいわゆる7万円(11ヶ月なので64100円)を払います。
      • eLTAXで申告をして、ダイレクト納付かペイジーで支払います。

弥生会計の設定

設立日が2020年3月23日。
会計期間は月初~しか設定できないので、「2020年3月1日~2021年2月28日」となる。
このままでは設立日よりも前の日付で仕訳を作れてしまう。もし、設立日よりも前の仕訳を作ると、全力法人税のデータチェックでエラーが出るし、会計的にも正しくないので、入力制限をかける。

「設定」▶「帳簿・伝票設定」▶「入力制限」で「2020年3月22日」を設定する。

創立費/開業費

設立日よりも前に使った場合は、開業日(2020年3月23日)で入力して、摘要に実際日付を含めるようにする。
創立費と開業費は「繰延資産」として資産に計上する処理することができるため、2期目以降に費用を繰り延べることが出来ます。中小企業の場合、繰延資産は任意のタイミングで任意の金額を費用化することが認められています。つまり、利益が大きく出た年度(期)で費用化することで節税することができます。

何が創立費にあたり、何が開業費にあたるかは以下のサイトが参考になります。

決算整理

試算表の作成は、弥生会計の集計機能を用いることで行えます。
試算表は期中に作成するB/S,P/Lみたいなものなので決算作業自体には不要ですが、銀行との取引がある場合なんかは求められる場合があります。
このあたりの内容は末尾に記載した書籍を参考にしました。もしくは簿記3級の内容でもカバーしています。

第一期目の「株主資本等変動計算書」の差額について

第一期目は出資しているので差額が出ます。
株式会社では「新規株式の発行」の変動事由を追加して差額を埋めれば良い。
合同会社の場合は「出資の受入」あたりで。

作成する書類

提出する書類はたくさんあります。どの別表が必要なのかは判断が難しいですが、今回私が必要なのは以下の通り。全力法人税を使えば、必要な書類だけをピックアップしてくれます。

  • 法人事業税(国税)
    • 各種別表
      • 別表一(一) ▶ 各事業年度の所得に係る申告書(普通法人等の申告書)
      • 別表一次葉 ▶ 法人税額・地方法人税額の計算
      • 別表二 ▶ 同族会社等の判定に関する明細書
      • 別表四(簡易様式)▶ 所得の金額の計算に関する明細書
      • 別表五(一) ▶ 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書
      • 別表五(二) ▶ 租税公課の納付状況等に関する明細書
      • 別表七(一) ▶ 欠損金又は災害損失金の損金算入等に関する明細書
      • 別表十五 ▶ 交際費等の損金算入に関する明細書
    • 法人事業概況説明書
    • 財務諸表
      • 貸借対照表
      • 損益計算書
      • 販売費及び一般管理費内訳書(e-Taxでは損益計算書に含まれる)
      • 株主(社員)資本等変動計算書
      • 個別注記表
    • 勘定科目内訳明細書
      • 預貯金等の内訳書
      • 役員報酬手当等及び人件費の内訳書
  • 消費税(国税)
    • … 省略!!
  • 法人都民税(地方税) … 通常は法人住民税と言われ、都民税と市町村民税の2つに分かれているが東京23区は都の特例として、市町村民税も合わせて都民税として都税事務所に申告して納税します。
    • 第6号様式 ▶ 都民税・事業税・地方法人特別税の確定申告書
    • 第6号様式別表4の3 ▶ 均等割額の計算に関する明細書
    • 第6号様式別表9 ▶ 欠損金額等の控除明細書

国税はe-Taxで、地方税はeLTAXで処理します。

個別注記表について

合同会社の場合、記載しないといけない事項は以下の通り。

  • 重要な会計方針に係る事項に関する注記
  • 会計方針の変更に関する注記
  • 表示方法の変更に関する注記
  • 誤謬の訂正に関する注記
  • その他の注記

該当しないものは省略可能です。また、良く「この計算書類は「中小企業の会計に関する指針」によって作成しています。」というものが入っているものが多いですが、この指針を読んでいないのでこの文言は入れません。

全力法人税の手順メモ

良く出来ているので、画面の指示に従って処理していけば良いです。
まずは、社員名簿を作って、同族会社の判定をします。私は一人会社なので同族会社です。「同族会社の判定明細書出力」でPDFをダウンロードできます。(別表2)

まずは、弥生会計の勘定科目と仕訳日記帳と固定資産のデータをエクスポートして、全力法人税にインポートします(参考)

あとはインポートした仕訳に沿って、全力法人税が自動で転記してくれます。便利だ..!(例えば、別表1の①には法人住民税を含まない金額を記載するわけですが、こういうのを自動でやってくれます)

税金の計算が終わったら、その金額を弥生会計の今期の仕訳として登録をします。画面に記載の方法が出てきます。

これを会計ソフトに入力します。

日付: 2021年2月28日(期末日)
借方勘定科目: 法人税、住民税及び事業税
貸方勘定科目: 未払法人税
貸方補助科目: 都民税・事業税(任意)
金額: 64,100円

※全力法人税にはこの仕訳データが入っているので、弥生会計にこの仕訳を追加した後に、再度インポートしてはいけません。計算がおかしくなります。

なぜ7万円ではないかというと、均等割は月割で計算をし、1ヶ月未満は切り捨てることになるからです。2020年3月23日に起業して、2月決算(期末日が2月28日)だとすると、11ヶ月と8日になるので、切り捨てて11ヶ月。 7万円*11/12=64100円です。(参考

e-Tax

以下のページに書いてある通りに進めるだけでできます。
Web版ではなく、PC版じゃないとできません。

eLTAX

こちらも以下のページに書いてある通りに進めるだけでできます。
Web版ではなく、PC版じゃないとできません。

電子納税

eLTAXで電子申告をすると、電子納税ができます。申告と違って納税はWeb版でも可能です。
PCdeskを使うとペイジーの連携のところでIEが起動するので、Web版で行いました。

ダイレクト納付の場合、登録した口座から自動で引き落としがされます。
インターネットバンキング方式では、ペイジー用の番号が発行されてそこに振り込む形式になります。

さて、GMOあおぞらネット銀行はどちらも対応していません!!
なので、個人口座で振込をして、役員借入金として処理しました。

2期目の処理

弥生会計も全力法人税も繰越処理を行い、次年度の会計期間を設定します。
納税の仕訳は、未払法人税を打ち消せば良いので以下のようになります。

日付: 納税した日
借方勘定科目: 未払法人税
貸方勘定科目: 普通預金
貸方補助科目: 銀行名
金額: 64,100円
(現金で払った場合は普通預金ではなく「現金」、個人口座で払った場合は「役員借入金」にするか、立替処理をする)

全力法人税の課金

  • 印刷、e-tax/eLTAX用のデータ出力をしなければ無料で使えます。画面に表示されている内容をeTaxやPCDesk(eLTAX)の帳票に転記していけば良いだけですが、面倒なので購入した方が早いです。

まとめ

とてもつらかった。

参考資料

書籍